レディースのタイパンツをよく見ていて、
感じることがあります。
それは、タイパンツの柄が、
象さん、孔雀の羽根、菊が沢山使われている事です。
そんなタイパンツの柄について今回は考えてみましょう。
1 象さん
タイと言えば象さんと言うイメージを抱く人は結構いると思います。
タイの人にとって象さんがどんな存在なのか、調べてみます。
象さんはタイという国にとっての特別な生きものでした。
タイの国旗といえば、赤・白・青。
ところが今からおよそ100年前までの国旗は赤字に白いゾウでした。
タイはゾウを国の象徴にしていました。
今も海軍の旗「海軍旗」には、中央に白象が描かれています。
50バーツ紙幣の裏面には、ゾウに乗る武装した人物が描かれています。
タイ3大王の一人に数えられるナレースワン大王で
アユタヤ時代の英雄として知られている王様です。
昔は象に乗って戦っていたのです。
象はあまりにも大きいので、その破壊力と丈夫さを利用して
戦闘用の象が数多く飼育されていました。
王室で活躍していた象は、重労働に使われたり、
運搬、乗り物として、それぞれ専用の象が使われていました。
王室には白象が献上されることがありました。
白象は神聖なものと考えられていました。
数多くの白象を持つ王は優れた王と考えられてきたそうです。
このためアユタヤ時代の王たちの中には、
白象の捜索に異常なまでに執着する者もいたそうです。
白象の判定基準に適合するものが白象として認定されていました。
2016年に崩御されたラーマ9世プーミポン・アドゥンヤデート王は、
7頭の白象を所有していました。
これほどの数の白象の所有する王はとても少なかったみたいです。
プミポン国王は国民にすごく愛された王様でした。
タイにはいくつかの種類の勲章がありますが、
その中でも上位に位置づけられるものに「白象勲章」があります。
外国人に贈られる最高位の勲章です。
タイは仏教国として知られていますが、
いろいろなところにヒンズー教の寺院を見かけます。
ヒンズー教の神様にガネーシャ神がいます。
ガネーシャは、ヒンドゥー教3大神の一角、
シヴァの息子とされています。
富をもたらす神で、タイでは商人を中心に非常に人気があります。
日本などの大乗仏教では、ゾウは普賢菩薩の乗り物として登場しますが、
タイの上座部仏教でも霊的な存在とされ、
寺院に彫像が置かれたりレリーフが施されたりします。
また、ブッダ伝の中で、ブッダは白い象として
母の夢に現れその胎内に入ったとされます。
このお話は、タイでは子どもたちの間で誰でも知ってる常識らしいです。
象はタイ人が信仰する仏教の中でも大切にされる存在です。
タイ人にとって象さんは、
他の動物と違って親しみを持つと同時に、尊敬を払う存在なのです。
2 孔雀の羽根(ピーコック)
クジャクは東南アジア原産の鳥です。
クジャクは主にサソリ等の毒虫や毒蛇類を好んで食べるため
益鳥として尊ばれ、
そのため邪気を払う象徴として孔雀明王の名で仏教の信仰対象にも取り入れられ、
中国では伝説の霊鳥鳳凰や朱雀のモデルともされてきました。
タイではクジャクは美の象徴と親しまれています。
孔雀明王(くじゃくみょうおう)は仏教の信仰対象です。
元来はインドの女神マハーマーユーリーで、
パーンチャ・ラクシャー(五守護女神)の一柱。
マハーマーユーリーは「偉大な孔雀」の意味。
怒った顔が特徴である明王のなかで唯一、慈悲の表情の顔をしている。
孔雀の上に乗り、一面四臂(いちめんしひ)の姿で表されることが多い。
4本の手にはそれぞれ倶縁果(ぐえんか)、
吉祥果(きちしょうか)、蓮華、孔雀の尾を持つ。
倶縁果とは、桃に似た形の果物ですが、
代わりにザクロを持つ像も多くあり、多産・豊穣を意味します。
倶縁果とは、レモンのような柑橘系の果実。
他の明王が武器を持つのと違って果物を持っている孔雀明王は、
あくまでも穏やかなんです。
蓮華は蓮の花ですね。それと孔雀の羽根を持ってるんです。
なお、京都・仁和寺の画像のように三面六臂に表された像もあります。
孔雀は害虫やコブラなどの毒蛇を食べることから孔雀明王は「人々の災厄や苦痛を取り除く功徳」があるとされ信仰の対象となった。後年になると孔雀明王は毒を持つ生物を食べる=人間の煩悩の象徴である三毒(貪り・嗔り・痴行)を喰らって仏道に成就せしめる功徳がある仏という解釈が一般的になり、魔を喰らうことから大護摩に際して除魔法に孔雀明王の真言を唱える宗派も多い。また雨を予知する能力があるとされ祈雨法(雨乞い)にも用いられた。
(ウィキペディアより)
3 菊
日本では、菊はお墓に供えるお花、
仏さまに供える仏花と言うイメージがあまりにも強いので、
贈り物に適したお花ではないとされています。
ネットで調べてもタイの人の
菊の花に対する考え方がわからなかったので、
タイの友人に聞いてみました。
タイでは、黄色の小さな菊は、
「いいことが来ますように。」と言う意味で
お寺にお参りに行く時にお参りセットとして売られていたり、
結婚式とか、家を買うときとか、新築のお披露目をしたりするときに
使われたりするそうです。
(写真参照)→日本の菊とは少し違うかもしれませんが、
お参りセットとして、確かによく見ます。
日本とは全く違ったイメージなんですね。
でも、日本で菊と言えば忘れてはならないのが、
菊の紋です。
菊紋と言えば、天皇の御紋ですよね。
現在、天皇の家紋として知られている菊花紋章です。
日本には、古くから「野菊」という菊の花がありました。
野菊ではなく、大きくて華やかな花を咲かせる菊は中国からもたらされ、
平安時代中期までには、皇族・貴族の生活に欠かせない存在だったようです。
時代と共に一般庶民にも広がり、
江戸時代には江戸っ子を湧かせる菊ブームまで起きていました。
そこから菊の紋は始まったそうです。
現在、よく見かける菊は、その多くが
江戸~明治時代にかけて生まれた菊なのだそうです。
その香りは邪気を払うという理由から、仏花としても定番です。
お葬式で使われる花だと、あまりよくないイメージを持つ人もいるのも確かです。
でも実際は高貴で貴重な花ゆえに、仏花としても重宝されているのです。
それに、食用の菊も存在します。
お刺身にも食用菊が添えられて売られたりしますよね。
毒消しの意味があります。
古代中国では菊は薬として用いられてきたそうです。
菊にはビタミン類が多く含まれており、
鎮痛作用や解毒作用、解熱作用もあるそうです。
菊を調べていくと、高貴で生活に欠かせなお花として
昔から愛されたお花だったんですね。
4 まとめ
タイの人にとって、象さんは親しみと尊敬の動物。
タイの人にとって孔雀は美のと慈悲の鳥。
タイの人にとって、菊は、
「良いことが来ますように」という祈りのお花。
私がなんで???と思ったタイパンツの柄にも
タイ人ならではの考えが詰まっているのでしょうね。
そんな柄のタイパンツをはいて、
親しみ、尊敬し、美しくなり、慈悲の心を持ち
周りの人にも、良いことが来ますようにと、
皆さんもタイパンツをはいてみてくださいね。