clover-kのブログ

タイが好き。にゃんこが好き。ハンドメイドが好き。そんなことを綴っていきます。

桜染めとの出会い-志村ふくみさんの世界

 桜で染め物が出来ると知ったのは、

1年くらい前にテレビで放送された染織家志村ふくみさんの特集でした。

 

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1 桜染めとの出会い

 

 桜で染め物って言われて、私は桜の花びらで染めるのかなって思っていました。

ところがテレビを見ていると、桜の枝で丁寧にじっくりじっくり

煮だしていって、いくつもの工程を経て綺麗な桜色になっていくのを見ながら

すごく素敵だなって思ったものです。

いつか、桜の枝が手に入ったらやってみたいなって思っていました。

 

調べてみると、中学校の国語の教科書では、大岡信さんの

「言葉の力」に志村ふくみさんの桜染めのお話が出てくるそうです。

 

『志村さんの仕事場で大岡信さんは、桜で染めたという美しい着物を見せられる。

「この色は何から取り出したんですか」「桜からです」と志村さんは答えた。

素人の気安さで、私はすぐに桜の花びらを煮詰めて

色を取り出したものだろうと思った。

実際はこれは桜の皮から取り出した色なのだった。

あの黒っぽいごつごつした桜の皮からこの美しいピンクの色が取れるのだという。

志村さんは続いてこう教えてくれた。

この桜色は一年中どの季節でもとれるわけではない。

桜の花が咲く直前のころ、山の桜の皮をもらってきて染めると、

こんな上気したような、えもいわれぬ色が取り出せるのだ、と。』

 

って事は、今の若い子は桜染めは桜の枝でする

と言う事を知っていると言う事なんですね。素敵なことです。

 

志村ふくみさんの著「一色一生」より

「まだ折々粉雪の舞う小倉山の麓で桜を切っている老人に出会い、

枝をいただいてかえりました。

早速煮出して染めてみますと、ほんのりした樺桜のような桜色が染まりました。」

 

桜の花びらを集めて染めてみてもその色は決して出てきません。

煮出した花びらが付ける色はうす緑色です。

桜の木皮で染めたものが桜色で、花弁で染めた色がうす緑色ということに、

志村さんは自然の周期を感じたと書いているそうです。

 

木には桜色になる花びらの色が宿り、花びらには次に葉っぱになる緑の色が宿り

と言った感じなのでしょうか?

 

そういえば、私が草木染めをやろうと思って一番最初にやってみたのが、

さざんか染めでした。

色の濃いさざんかはさぞかし色の濃い染め物が出来るだろうと

張り切ってやってみました。

その頃は、あまり調べることもなく、色の濃い花びらは、

その色が取り出せるものと思って疑いもしませんでした。

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煮だした染液は、きれいな花の色でした。

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しかしながら最後には、

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茶色がかった緑色でした。まあ、この色もいい感じの色でしたけどね。

 最近では、お花から色を取り出すのが難しいことは少し知り始めています。  

  

2 実験

 今回桜染めをする前に実験をしてみました。

 

桜の染液を作ります。

桜の蕾の枝とか少し細いものは、そのまま煮ていきます。

 

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こんなに太い枝は、割って細かく砕いて煮ていきます。
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こんな感じにします。

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枝の汚れを落とすために、水で洗います。f:id:kurouver-k:20190227144715j:image

 

たっぷりのお水(お鍋に8分目くらいの)を入れて、
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細かく砕いた枝も洗って入れます。

桜の枝自体は、お鍋に2分目くらいの量でした。
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グツグツ煮ていきます。
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3時間くらい煮たら、

1回煮出した液と枝を分けて、

煮出した液を別のお鍋に分けておき、

それ自体を煮詰めていきます。

(これには黄色い成分オレンジやベージュも溶け出しているので、

黄色いのを好まない方は、捨てるそうですが、今回は実験のためやってみました。)

冷ましては、また3時間煮詰めて、

冷ましては、また2時間くらい煮詰めてを繰り返して、

お湯が少なくなったら足しながらそれを繰り返し、

2日くらい繰り返すと、こんな感じです。

それを日本手ぬぐいとか、さらしで濾して

 汚れを取り除いたものが第一染液①となります。

 

お鍋の5分目くらいの量。


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取り出した枝をまた、別のお鍋の8分目のお水を入れて、
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煮ていきます。

そのまま枝を入れたまま3時間煮詰めて、

冷まして、3時間煮詰めて、冷ましてを繰り返し、2日間くらいして、

また、それを日本手ぬぐいとか、さらしで濾して

汚れを取り除いたものが第二染液②となります。


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それを寝かしておきます。今回は5日間くらい。

 

 

 

 

実験1

桜の染液を作る場合、アルカリ水を使う方がより発色がよくなるという事なので、

 

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途中で重層(アルカリ性)を少々入れました。
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色がはっきりときれいな色になりました。

でも重曹を入れた場合、アルカリ性の染液からは色素が繊維に定着しないため、

染液を中和させる必要があります。
米酢(もしくは穀物酢)を入れて中和させてから染めの段階に入るそうです。

 

実験2

綿100%のさらしの布と綿100%の11号帆布の布の切れ端を用意します。

6枚づつ

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それを

⑴先媒染で第一染液①で染める

⑵先媒染で第二染液②で染める

⑶先媒染で友人の染液③で染める

⑷後媒染で第一染液①で染める

⑸後媒染で第二染液②で染める

⑹後媒染で友人の染液③で染める

やってみました。

 

さらしは、

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こんな感じになりました。

 

帆布は

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こんな感じになりました。

 

全て染まり方が違っててびっくりしました。

 

ちなみに先媒染は、灰汁に米酢を入れた液に付け込んで後、

染めの工程を1回やりました。

 

後媒染は、染めて、後媒染して、染める工程をやりました。

 

先媒染に使った灰汁は、バーベキュー用の炭を焼いて残った灰を水に入れて

灰が沈殿した上澄みを使いました。

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友人の染液の作り方は、

私とほぼ同じですが、10日間くらい枝を入れたまま

煮たり冷ましたりを繰り返したそうです。

最初は煮た香りがなんだか変な感じだったのが

2日目・3日目となるにつれてすごくいい香りになっていったそうです。

そんなことを聞きながら、私も煮た時の香りを思い出していました。

 

参考のブログは【枝を煮ては冷ますを繰り返し、数日間煮ます。

ポイントは、この段階でしっかり煮ることで黄色味やオレンジ味が抜け、

桜本来のピンクが抽出できるそうです。

 専門家は、この作業に1ヶ月前後費やすそうです。】こう書いていました。

 

 

実験の結果、染め具合が一番良かった後媒染で第二染液を選択して

本番はやりました。

 

3 まとめ

 桜染めも草木染の一種ですが、草木染は昔から行われてきた染め方です。

昔は科学的な染料などなく、あるのは自然の草花・木などでした。

そこで、どうにかしてその色を取り出して色をいただきたいなと思って

試行錯誤していくうちに発達していったものです。

昔の人に感謝して、色をいただいて自然の色に影響を受けながら

日々を過ごしていきたいなって思います。

 

 (2019.3.1更新)

 

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