私が草木染めをやり始めたのは、
バッグを手作りするようになって、生地を探しに行った時、
なかなか素敵な生地に出会えなくて、
それでもまあ気に入った生地で作っていました。
ネットで簡単に身の回りにあるもので
草木染めが出来ることを知って、
白の綿生地を買ってきて初めてやってみたのが2年前の2017年1月の事。
染めるうちにそれでバッグを作る事を始めました。
その遍歴をご紹介いたします。
1 お茶染め
材料:布(綿100%)-2枚(約300g)
染め液-5L
焙煎液-(ミョウバン25g+お湯3.5L)
染め液5Lの作り方
お水5Lに使用済みのお茶がら(乾燥させたもの約100g)を入れて
30分~40分煮だします。
私は、期限切れのお茶(煎茶)があったので50g使用しました。
染め液が出来上がりました。
今回使用した布(綿100%)は2枚。
精錬して、下処理した布です。
精錬・下処理など詳しくはこちらのブログで
目の詰まった普通の綿の生地と
目の粗いインド綿を使用。
それぞれにゴムを使って模様を入れました。
全て、インド綿の方で説明します。
染める前に生地をお湯に浸し絞ります。
染液に漬けます。
60度~80度程度。20分ほど混ぜながら染めます。
1回目の染めが終わった所
軽く洗って絞ります。
お湯3.5Lにミョウバン25gを溶かして焙煎液を作っておいたものに
入れて15分、混ぜながら行います。60度ほど。
軽く洗ってしぼります。
再び、
染液に漬けます。
60度~80度程度。20分ほど混ぜながら染めます。
写真は2回目の染めが終わって取り出したところ。
軽く洗って絞ります。
少しずつ色が濃くなってきました。
でももう少し濃い色が欲しいので、もう一度。
焙煎液に入れて混ぜながら15分。
取り出して軽く洗い絞ります。
3度目の染めに入ります。
60度~80度程度。20分ほど混ぜながら染めます。
染め液の温度が低くなってきたら、熱しながら染めます。
3度目の染めた後。
これで希望どうりの色に染まったので、
色が出なくなるまでよく洗って、脱水して干します。
私は、色が出なくなるまで洗うのが大変なので、
染めた布全部を洗濯機に移して、すすぎ1回と脱水1回を
してもらうことにしています。
希望の色が出るまで、染め→媒染→染め→媒染→染め
と繰り返すのですが、必ず、最初は染めから始まって最後は染めで終ります。
左がインド綿の生地・右が目の詰まった普通の綿生地です。
インド綿で作った大きめトートバッグ
ハンドメイド始めて2か月目の作品なので、なんだかなって言う作品です。
普通の目の詰まった綿生地で作ったバッグ
模様付けなかった方が良かったような・・・
2 コーヒー染め
材料:布(綿100%)-2枚(約300g)
染め液-5L(お湯5Lに使い終わったコーヒー出しがら20人分程度)
焙煎液-(ミョウバン25g+お湯3.5L)
染め方は、お茶染めと同じです。
今回は、糸を使って模様を作ってみました。
ゴムよりも繊細な模様が出来るかなと思ったけど・・・
コーヒーの染め液で染めます。
媒染して、染めて。
今回も3回染めました。
コーヒー染めトートバッグ作りました。
11号帆布をコーヒー染めしてみました。
全部コーヒー染めを使ったトートバッグと。
白帆布と持ち手と底をコーヒー染めした生地で作ったトートバッグ。
3 玉ねぎ染め
綿100%の普通の生地も
11号帆布もいろいろ染めてみました。
材料:布2枚(約300g)
染め液-(5.5Lのお水と玉ねぎ20gを45分煮だしたもの)
焙煎液-ミョウバン20g+お湯4.5L)
こんな布からこんなバッグが・・・
玉ねぎ染めライン帆布トートバッグ
玉ねぎ染めとポケットはつる草染めのトートバッグ
裏返したら、つる草染めとポケットは玉ねぎ染めの2WAYトートバッグ
玉ねぎ染めのタイ生地を使ったバッグ
玉ねぎ染めアジアンバッグサリー風(グリーン)
サリー風の生地は、タイのバンコクの繊維街の
インド人の店員さんのところで買った生地
玉ねぎ染めとイサーン布の大きめショルダーバッグ
タイ柄の生地がポイント
でも、大きすぎた!!!
玉ねぎ染め刺繍(ボタニカル)バッグ
この染めは2回染めかな?
4 よもぎ染め
材料:布1枚と薄いはおるもの1枚(約300g)
染め液-(5.5Lのお水とよもぎ600gを45分煮だしたもの)
焙煎液-ミョウバン20g+お湯4.5L)
たっぷりのよもぎを取ってきて、きれいに洗います。
それから染め液を作ります。
模様沢山作ってみました。
染めます。
媒染します。
3回染めました。
タイの生地を使ったポーチを作ってみました。
よもぎ染めタイシルク風グリーンポーチとよもぎ染めタイシルク風パープルポーチ
よもぎ染めタイシルク風レッドポーチ
5 乾燥よもぎ染め
よもぎを沢山取って帰ります。
1ヶ月くらい乾燥させます。
って言うか、よもぎ染めをやろうと取って来てたんだけど、
やる時を過ぎてしまって乾燥していくよもぎ。
それで染めてみようと思って、きれいに洗った後、
染め液を作った。
煮るお鍋にパンパンの量の入った乾燥よもぎの量くらい。
煮たら、すごい色になっていった。
濃い色の染め液で11号帆布を染めてみた。
乾燥よもぎ染め帆布2WAYリュック
乾燥よもぎ染め帆布ライントートバッグ
白帆布乾燥よもぎ染めライントートバッグ
なかなか渋めな色で、素敵な感じになりました。
6 つる草染め
つる草は、正式名称ではありません。
つるがあったから私がそう呼んでます。
大量に取ってきて、
染め液を作るお鍋にパンパンに入る量くらいで作りました。
1回目の染め
大体いつも3回染めを繰り返しています。
つる草染めバッグ(ポケットの上のワンポイントが玉ねぎ染め)
玉ねぎ染めっぽい色合いになりました。
7 すぎ草染め
すぎ草は正式名称ではありません。
すぎの感じに似てるので、私がそう呼んでいるだけ。
それを沢山摘んできて、
綺麗に洗います。
染め液を作るお鍋にこんなにパンパン位の量から煮始めて、
3回染めをしました。
すぎ草染め2WAYバッグ(上のラインは玉ねぎ染め)
すぎ草染め帆布お出かけバッグ
なかなかおとなしい良い感じに染まりました。
8 まとめ
何かの葉っぱの染料に浸した絹糸を染めながら、
染料に語り掛けている志村ふくみさん。
「あなたは、どんな色になりたがってるの?」
染めてみなければ、どんな色に染まるかがわからない世界。
同じものを使っていても、媒染の種類、染める時の温度、時間、
様々な状況によって、違った色になってしまう。
それが草木染の良いところでもあれば、怖いところでもある。
でも、これを楽しめないようであれば、化学染料でしっかりと
思った色で染めればいいだけなんだけど、
私は草木染めにこだわってしまう。
志村ふくみさんの言葉
「色は定着するものだ、はげないものだ、
と思う人は化学染料でかっちり染めた方が安心ですわね。
これは危ないと言えば危ない、はかないと言えばはかない。
色は脱色するかもしれない、どうなるかもわからない不安を持った色であるわけだが、
不安を持ったと言うところに何かひとつの美がたゆたっているんですね。」
「植物の中から引き離すようにして液体となった色彩は植物の命。」
草木染めで染めた布には、植物の命が宿っているのです。
だから、暖かで、目にも優しく、包み込んでくれるような気がするんですね。
皆さんも、こんな草木染めに挑戦してみませんか?